2020. 09. 13 articles

経営や仕事にも重要な「流れ」の話

経営者や政治家など風水を大切にしている方は多いようです。

私も会社全体の経営・運営ということに何年も従事していると、言葉ではうまく説明できない「流れ」というものがあるように感じます。スポーツでも「今は自分たちの時間帯だ」とか「今は耐えるときだ」とかありますよね。芸能関係も非常に浮き沈みが激しかったり、再ブレイクなどということもありますし。

そのことを、経営上どのように考えるかを創業者から聞いた話をまとめて、社内の部下や後輩に伝えようと思って作った文章です。

「俺も経営者をやっているとやっぱり人(会社)にはいい時と悪いときとあるように感じる。それが風水の話を聞くとなるほどなと思うことがあるんだ」と創業者は答えました。

それは風水というよりは、人のリズムの話でした。
経営者として人とつき合っていると社会のなかでの生々しい人間模様を見ることがある。人生は長いから、その人がずーっと悪い時期が続くということもなければ、ずーっといい時期だけが続くということもないと思う。風邪をひいたり体調を悪くすることがあるように、なんとなくうまく行かない時期もあれば絶好調のときもある。

外からの付き合いだとわからないこともあるし、後から「あのときは」と聞くこともあるけどね。

その流れは時計の針のような感じかもしれない。

例えば、うまくいっているときを時計の針が12時を指しているとしよう。人はうまくいっているときは、実はなかなか他者の話を聞けなくなっている。自分がやっている、自分が正しいという考えがどんなに否定しても出てきてしまう。

うまくいっているから寄ってくる人もいるし、たくさんの営業も受ける。天狗になってしまう人もいる。

そうではなく様々な誘惑から自分を守る意味で、脇を締めて人の話が聞けなくなってくる人もいる。またうまく行っているときというのは実は嫉妬も受けている。

だから自分の知らないところでよく言われていない、良く思われていないこともある。

そういう時期を過ごしているときは必ず調子が下がり、絶好調ではなくなる。時計の針がずっと12時で留まらず、刻一刻と進んでいくように、だんだんと1時、2時へと進んでいく。

針の最も高い位置は12時で1時、2時は少し低くなっていく。こういうイメージだ。

そして重要なのはこうなったときにどう対応するか。

調子が下がり始めたときに、取り返そうとして躍起になる人がいる。

ところが調子が下がり始めたときに取り返そうとしたり新しいことを始めると、その人は力んでいるから冷静な判断ができなかったり、おごりが消えていなくて人の話を真剣には受け止めていなかったり。「俺がやれば大丈夫だ」って思い込んでしまうことも少なくない。そしてまたそういう状態のときは周りが応援してくれるわけがない。

結果、うまく行かない時期に新しいことを始めるとますます泥沼にはまってしまう。

 

うまく行かなくなったらじっと耐える時期なのだ。それは何もするなという意味ではない。今までやってきた自分のことを見直したり、見つめなおす時期なのだ。自分や自社が成功できた要因を見つめ直し、そのことに集中するのだ。

レストランなら新しいメニューではなく、今までできていたサービスを見つめ直す。他の仕事でも自分たちが一番評価されてきたことを見つめ直してやり続ける。

2時や3時から12時には時計は逆回りしないように。じっと耐えてその時期をやり過ごす。

これはサッカーや野球などのスポーツからも分かりやすいけど、ずっとこちらのリズムだけで試合が進むことはほとんどない。相手のリズムの時に、リズムを奪い返そうと攻撃に転じると痛い目に合う。相手のリズムの時は、基礎に立ち戻りじっと守って我慢して立て直し、その波が去るのを待つ方がよい。

その時期をじっと耐えていると、周りからまた信頼を得ることができる。苦しい時期に話をしてくれる人はその人にとって本当に大切な人に違いない。自分も聞く耳が立ったり、素直に人に感謝ができるようになっている。2時3時から6時まで時計の針が進んだイメージだ。

6時になったら今度は時計の針は上がっていく。今度はやり過ごした時期と同じようにじっとしていると針は上がっていかない。新しいことにも積極的に取り組まないといけない。
一度苦しい時期を乗り越えているから時計の針を進めるのは怖いかもしれないけれど勇気をもって新しいことに取り組んでいかないと時計の先端を軸に回転してしまう。今の時点から進んでいないのに12時を指してしまう。

今度は、7時や8時の位置が12時となって、軸の位置が変わってしまう。世の中も動いているから相対価値が下がる可能性もある。このいい時期に真剣に準備をしておかないと、足元をすくわれてしまう。

 

風水や六星占術のように12年周期かどうかは分からないんだけど、そういう波は必ずある。その波を意識して駄目なときと良いときを過ごすと良いはずなんだ。

 

社内の人事でも同じことが言える。でも人事の担当者は2時とか3時にスタッフが行くと助け舟を出そうとする。2時とか3時のときには助け舟を出さずに放っておかなきゃいけないんだ。

そうしないと2時とか3時のときを乗り越えてないからいつまで経っても時計の針が進んでいかない。もちろん放っておいても、もうダメという烙印を押すんじゃなくて、調子が良くなるときを待っていなきゃいけない。

また調子が良くなったときに、前のことがあるから調子に乗らないようにしてしまう上司もいる。そうではなくて、6時を超えて上がっているときだとしたら、思いっきり背中を押してもっと機会をあげたり思いっきり仕事を任せた方がいい。

その波を知った上で人とつき合っていくのが経営的人事なんだと。

そういう視点で考えると、我々の本業であるお店も同じかもしれません。お店が流行らなくなった途端にころころと何かを変えてしまう店、こういう店はその先が長くないことが多い。

反対にうまく行っているときにも何にも変えずにやり続けていると、そのうまく行くことが長く続かないかもしれないです(その後もずっと変えないでいると、また時計の針が上向く時期にも来ます)。

飲食店をそういう目で自分で予測しながら見るとこの流れをつかむ訓練になるかもしれません。

 

また個人の事で言うと、3時とか4時で転職することのリスクも意識して欲しい。転職すること自体は悪くないけど、悪い時期の転職のリスクはこの理解にもとづきます。その苦しいときを耐えて上がるところなく3時や4時が転職でリセットされて起点となり、そこから始まる12時をまた過ごすことになってしまうかもしれない。もちろん、リセットして6時に進むこともあります。

つまり転職によって、このときの流れが良くも悪くも変えられる。転職していきなり良くなるわけではなく、転職してしばらくは耐える時間があると理解しているといいと思います。

 

でも人間ですから、自分が今何時というのは頭の上に時計がついているわけではないので決して見えませんよね。だから厄介なんです。人と話しながら、いつも自分が何時で傲慢になっていないか、小さくまとまっていないかを見つめ直し続けることが必要なのだと思います。

 

(文責:三原)