ダイバーシティマネジメントという言葉は今や組織運営において一般的な言葉となりました。
「ダイバーシティ=多様性」と表現され、よく日本は島国だから多様性に乏しいとか、ガラパゴス化だとか言われていますが、本当にそうなのでしょうか?
私が採用担当をしているとき、前回の面接官から学生の情報の引き継ぎで「帰国子女でダイバーシティに対しても許容度がある」なんて言葉を何度も見て、その度に違和感を覚えていました。
その違和感から、ダイバーシティ=多様性ということに対して改めて理解を深めたいと思っています。

多様性とは何も国籍や人種、宗教ということだけではないと思います。
弊社の代表は子供の頃、あまり勉強が得意ではなく、その事から以前私はこのように言われたことがあります。
「社会には男性・女性はもちろんだけど、勉強のできるやつもできないやつもいる。サラリーマンの家庭もあれば、商売をやっている家庭もある。喧嘩が強いやつも弱いやつもいる。そういうやつの集まりが社会だ。だから会社もおなじ。大卒とか勉強がある程度できるやつを基準に考えちゃいけないぞ」と。
そうなんです。海外で多様な人種と一緒に過ごしたと言っても、ある程度裕福な一定基準の教育水準がある人が集まった学校に行っていたら、それこそダイバーシティがあると言えるのでしょうか?
つまり国籍や信条の多様性だけではなく、仕事や能力のステージ、志向が違う人を含めた多様性ということがダイバーシティというのだと私達は考えています。

ライフワークバランスとは、仕事と仕事以外の生活ではなく「ライフ=人生」において仕事との調和をとること。年齢や年次、家族の課題や仕事の責任など、人生には様々なステージがあります。
その様々なステージで、より自由に仕事に向き合い貢献をできるようにするということ。マネジャーや経営者はダイバーシティとライフワークバランスを念頭に、多くの人に様々な充実や人生の豊かさをともに考えることが重要であると考えています。
ただし、決して譲ってはいけないのが、会社のBEINGに対して前向き、協力的で、「貢献」をしようとする意識があることです。「会社」は顧客に価値を提供するために集まっている組織・集団です。この貢献をしようとする意識のもとにおいて多様性が初めて認められるのです。そしてこの「貢献」のもとに、会社における多様性の意味を、多国籍の人を採用しなければならないということではなく、人生の様々なライフステージにおいて、会社で貢献の仕方を変化することをお互いに考えていく。
このことが、多様性=ダイバーシティのマネジメントだと考えます。
(文責:三原)