2020. 09. 23 articles

学校では教えてくれない意思決定のルール

私たちは学校教育を通じてたくさんの勉強をしますが、ビジネスにおける意思決定ではなく、学校での意思決定だけを学びます。では、学校での意思決定はどういったものかと言うと、ほとんどが多数決か、先生による決定です。これは、学校だから成り立つ意思決定であり、ビジネスの意思決定とは全く異なるものです。

今日は、ビジネスにおける意思決定について、そのルールを整理したいと思います。

①多数決ではない
全員が納得しなければいけないものでもない。意思決定は意思決定者がするものである。

 

②絶対的に正しい意思決定というものは存在しない
あるのは意思決定を正しくしようとする行動だけ。最悪なのは、意思決定したことを正しくしようとしない行動。例えば自分の意見と異なる意思決定がなされたときに、自分が正しいという無意識にとらわれ、行われた意思決定に協力しない人もいる。意思決定だけですべてが決まるわけではない。重要なのは意思決定の後のチームとしての行動にある。

 

③感覚で行うものではない
意思決定は感覚でするものではない。徹底的に事実やデータから、考えられることを考え抜いて行う意思決定が重要である。うまく行かないリスクがどこにあるのか?それを把握していればいるほど、意思決定の質が上がる。

 

④マネジャー単独の権利ではない
マネジャーはその上司に確認を取りながら決めるものである。

 

⑤多くの人に相談する必要がある
多くの人とは、部下やその意思決定に関わる人などを含めてである(もしこういう風にしたらどう思う?と問いながら、相手が嬉しいのか、許容範囲なのか、拒絶反応なのかを確認する)。相談するということは、相手に貢献を許すことでもある。そうすると、相談された人はエンロールされていく。エンロールされた人は、意思決定が正しくなる行動をとりやすくなる。

 

⑥決定するまでにたくさんの議論をする
その議論には、先輩も後輩も、知っているも知らないもない。ときに「私はその責任を取れる立場じゃないから、おまかせします」という人がいるが、意思決定までの情報は多い方がよい。各自は意思決定のプロセスに少しでも貢献すること。また、議論の参加者のモチベーションを気にして曖昧な意思決定をしないこと。

 

⑦その意思決定を選ぶ責任、選ばない責任を考える
どちらも同様に責任が生じることを念頭に置いた上で、責任が取れる自信がないから選ばない、ということは責任の放棄である。

 

⑧サイン型と行動変革型の意思決定の数を守る
サイン型の意思決定とは、労力を伴わないものを指す。ものを買うとか契約するとか、一度実施したらそれで終わる意思決定。一方、行動変革型の意思決定とは、労力を伴うものである。例えば、毎朝◯◯する、などの変化を必要とする意思決定である。

サイン型の意思決定は何個でも構わないが、行動変革型の意思決定は1つにする。その1つを徹底的にやってから次の意思決定に変化させる。

もちろん各社の事情によって、このルールは若干変わってくるものだとは思います。しかし、このルールが暗黙知のつもりで、皆が知らないままだと、すれ違いや不要なストレス、非効率、効果が出ないことにつながります。

一度、社内でどのようなルールで意思決定がなされているのか、これらのことを整理して明文化することをおすすめします。

 

(文責:三原)

 

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