2020. 10. 09 articles

エンロールメントとは その2

重要だと考えている割には、なかなか的確で明確な表現の難しい「エンロールメント」。前回の続編です。
今回はエンロールメントの鍵となるポイントを説明して、理解に寄与できたらと思っています。

エンロールメントの鍵となるのは、
1.つながること
2.協働をすること
3.コミットメントすること・献身すること
4.完了すること
この4つです。

より具体的に説明していきます。

1.つながること
・言語以外のコミュニケーションをとること
・笑顔で接すること
・リラックスした状態でいれること
・フラットで安全でオープンな関係を築くこと
・なにか共通のことを見つけること
・相手の達成したことを承認すること
・質問をすること
・共通言語をつくること
・相手の話を聴き、確認し、背景や意図を共有すること
・気前よくいること
・脅威をとりのぞくこと
・評価ではなく信用を大きくすること
などがあげられます。まずは相手を承認し、つながることからエンロールメントは始まります。

2.協働すること
・貢献をゆるすこと
・注意深く聴くこと
・意見やアイデアを求めること
・役割をわたすこと
・問題を一緒に解決すること
・できない正当な理由ではなく何ができるかの会話をすること
・ストレートに話し、ストレートに依頼したり承諾したり断ったりすること
などです。信頼して、任せて、任せきりにしないことが大切です。

3.コミットメントすること・献身すること
そのことに相手をコミットさせるのではなく、自分自身がコミットし、献身していることが、真のエンロールメントを生み出します。

4.完了すること
・問題解決をすること
・完了に注意を払い、未完了のままにしないこと
・解決をして成果を生み出すこと
・完了を承認し、感謝や称賛を伝えること
意外とできていない完了することです。エンロールメントしたことを不完了なままにせず、きちんと完了の区切りをいれること。打ち上げをしたり、感謝の言葉をかけることも大切です。また自然とエンロールメントされていきます。

 

全て見ていただくと拍子抜けしてしまうような簡単なことなのですが、実際に行うのは非常に難しい。だけど、これらを重点を置いて、相手が価値や可能性を感じ、自分で決めて、自ら主体的・積極的に取り組む状態にすることがエンロールメントです。

そしてエンロールメントに最も重要なことが、リーダー自らがそのことにエンロールメントされていること、自らがそのことに価値や可能性を最も感じていることです。

ですから経営者やリーダーが、本気でエンロールされているチームや組織はメンバーもエンロールされていくのです。

またエンロールメントは大きな意味では「関係性」です。一時的なアクションではありません。したがって普段の仕事や業務においては、やはり管理やルールや指示なども必要になってきます。ときどきエンロールという言葉を逆手にとって、上司からの指示や顧客への責任を放棄したり、部下との関係性、距離感を誤ってしまうマネジャーもいます。

エンロールメントで大きな関係性を築き、商品の価値を高めて提供するために様々な施策をきっちりと遂行する。

こう棲み分けていく必要があります。

 

(文責:三原)

RELATED ARTICLES関連記事