
前回に続き、会議の種類のお話を。今日は会議の進行についてお届けします。
前回の会議のそれぞれの目的によって、会議進行の手法が変わってくるはずです。
多くの場合、会議の出席者の中で 最上役=開催者が司会進行をすることが多いかもしれませんが、下記を意識するとまた一層効果性が出ると考えています。
A 指示命令型
B ディスカッション・ブレインストーミング型
C 報告型
D ディベート型
E 司会ファシリテート型
前回の1.大きな意思決定をする会議に相性がいいのは、Eの司会ファシリテート型。
意思決定者が会議の進行もしていると、意思決定に集中出来ません。意思決定者と別にファシリテートをつけるとよい意思決定に集中できます。
2.問題を発見する会議には、前述の通り報告型により、すでに問題を見つけてきているという状態をつくりだすことが正しいです。ですからCの報告型が効果が高くなります。
3.小さな意思決定のための会議にも、ファシリテートを使うといろいろと重くなるので、このような場合は意思決定者がファシリテーターになりBやC、ときにはEを使いながら意思決定をしていくことが求められます。
ちなみにディベートは、自分たちの役割を決めきって、「自分たちが正しい」という役割を演じて議論します。日本や会社では特に輪を乱すことを嫌いますから、同調傾向が強く議論で意見が出てきにくい傾向にあります。ディベート型で役割を決めて意見を交わすことで、議論が活発になりやすいです。
大きな意思決定の前にも単純な議論よりも、Dディベート型のほうが機能することが多いです。
4.共有のための会議には、A 指示命令型。レイヤーの上下がはっきりしていて、信頼関係が築けている場合、緊急の対応などには適しています。
反対に、強いリーダーはどんなカタチをとっても 実は指示命令に帰結してしまうことが多く、会議では意識してこのカタチを排除することも必要です。
5.士気を高める会議は全ての手法に含まれますが、会議の後の行動にこそ意味があるので、どの手法をとっても最終的に士気をあげる意識が重要です。
組織の成り立ちによっても違いますが、これを意識しているかしていないかで会議の質が大幅に変わります。

これらをふまえて、私が意識しているのはこのようなことです。
・能力が高い人は、会議への参加によって全社における問題を発見することに注力する。
・能力がミドルの人は、他人のレポートから自分が持って帰れるものを探す。
・能力が未開発の人は、自分の思った、言いたいことを言って場を乱す。
・能力が未開発の人は、上記で他人に迷惑をかけないように注意を払い、参加してもしなくても同じになる。
・最悪の人は、マウンティングのため、他者への攻撃を会議中に行う。
・レイヤーが高い人達が集まる場合や参加者が多くなる場合は、問題発見の時間に使ったほうが良い。
・問題発見は会議内で行うのではなく、会議への報告や発表の準備段階で8割型は発見しているはず。だから事前に発表することを明示して、準備してくる過程が会議の最も重要な効果。
・カタチやルールの共有はメールや書面でできる。重要なのは思考の背景の共有。ただし、カタチやルールを明確に共有することで思考のより深いすり合わせができる事が多い。

・会議は人数が増えるほど効果は薄まる。共有だけが必要であれば参加に意味がないので、人数を絞って共有は別で行うべき。
・Bは人数が多くなるほど効率が悪くなる。Bを行う場合はグループに分けて行い、グループごとの共有により効果を高める。
・士気を高めるのはかなり重要。エンロールでもある。
・イマイチ会議は、進行係ばかりが正しいことを話して何も起きない。
・イマイチ会議その2は、間違えたことをたくさん話してマイナスが起きる。
・最悪会議は、進行係が正しく指摘をしてマウンティングをして悦に入る。
・人は、自分が発言したことには責任が生まれる。
・よい会議は進行や意思決定者の発言が少なく、参加者が責任を持って発言を行い、発言を通して士気が高まったり、問題が発見されやすくなる。
・開催者は上記を意識して、会議開催前に準備や進行をイメージして当日を迎える。
・どんなに能力があっても、進行が準備なしにいきあたりばったりではよい会議にはならない。
これらを意識して会議を開催してみて、自分なりの会議ルールを見つけてみてはいかがでしょうか?
(文責:三原)