ビジネスファッションについてのコラムをUNIXの堀さんに寄稿いただいていますが、この度 女性向けのビジネスファッションのコラムを、TOMORROWLANDさんにご協力いただいて連載することとなりました。
これから、TOMORROWLANDが手掛けるオリジナルブランドDES PRÉS 銀座三越店店長小山友希さんにお話を伺っていきます。

お洋服を扱う仕事を始めて、あっという間にもうすぐ10年が経とうとしています。
学生時代の就職活動で、アパレルを受けたのはTOMORROWLANDだけ。あとは不動産やホテルなど、接客のお仕事を軸に就活していました。
TOMORROWLANDの説明会は“私服でお越しください”という案内だったのに、周りはみんな私服な中、私だけが律儀にお決まりのリクルートスーツ(笑)。それだけで緊張しましたが「ものがいくら良くても、届け手の私たちが魅力を伝えなければ お客様に届かない」というメッセージに心を打たれ、ここに入社したいと思いました。
いろんなことが変化せざるを得なかった2020年、お洋服の購入の仕方も、今や多岐にわたっています。でもこんな状況だからこそ改めて、私たちがお洋服を通じて お客様に届けられる付加価値を大切に、今まで以上に真摯にお客様に向き合っていきたいと思っています。

さて、実際のファッションのお話をする前に、このコラムで大切にしたいことを紹介させてください。
入社してから東京や横浜の、いろいろなお店を経験してきました。行く先々その街ごとにお客様のカラーがあり、お勤め先やお住まい、ご年齢も様々。でも、いらしてくださるお客様とお洋服を選んでいると、どんなに疲れていてもエネルギーのゲージが回復してくる感じがします。
私が入社して半年後に異動した池袋西武百貨店に、青木さんという先輩がいらっしゃいました。新人時代にとても影響を受けたのは、この青木さんとお客様との距離感です。とにかく 専属スタイリストさながら、青木さんのお客様は困った時の駆け込み寺のように、青木さんのアドバイスを求めに来店なさっていました。青木さんは スタイリングのプロとしての知見はもちろんですが、お客様とのお付き合いが本当に上手でした。

近くで青木さんを見ていて、そして実際にお客様に接客していて個人的に思うのは、その方の状況にどれだけ寄り添ってご提案できるかが、お客様との信頼関係を築くために大切だということです。
何をお求めいただいているのか、どんなシチュエーションで、どんな風になりたくてお越しいただけたのか。より具体的に、詳細にお客様のことをお伺いします。
もしかしたらふらっと立ち寄られただけかもしれないけれど、それでもお店にお越しいただけたその瞬間を楽しんでいただけるご提案をしたい。
まるで友達や家族にするように親身に寄り添うことが、お客様との永いご関係のために大切だと感じています。
一客一笑(いっかくいっしょう)。
「小山さんの接客って、お客様がすごく笑顔だよね」と同僚に言われてから、ご案内の時に私が大切にしている言葉です。お客様との時間には、必ずひと笑いをお届けしたい。気持ちがくもっている方も笑顔になっていただきたいですし、何よりシンプルに、お客様の笑顔を見る瞬間が、私は大好きだからです。
ファッションは、他人に対してもそうですが 女性の方は特に、自分の気持ちを上げるためにもとても重要です。これからこのコラムでも、みなさまのシチュエーションに寄り添いながら、一客一笑、笑顔にできる記事をお届けしたいと思います。どうぞ、よろしくお願いします。
(文責:DES PRÉS 銀座三越店 小山)