
正締率(せいてい率)とは、ネクタイを締めるときに正しいノット(結び目)、正しい長さ、正しい素材選びができている人の割合のことで、今私が考えた言葉です。
ネクタイはメンズのビジネスファッションにおいて最も大切と言えるアイテムなので、この記事を書くために普段より注意深く、ネクタイを正しく締めることができているスーツ着用者を観察して過ごしました。
渋谷、新宿、丸の内、有楽町、新橋を中心に朝夕の通勤ラッシュに逆らいVゾーンをチェックしたところ、正しくネクタイを締めている人はわずか1%(厳密には1%以下)程度でした。
また今回観察してみて気づいたのですが、スーツを着ているのにネクタイを締めていない方が6割ほどでした。
クールビズやライフスタイルの変化によるものだと思うのですが、男にとってVゾーンというのは数少ない個性を発揮するスペース(間)です。
“間が悪い”、“間違い”という 間にまつわる言葉がありますが、スーツを着ているのにネクタイを締めないのは“間が悪い”、“間違い”ではなく“間抜け”だと私は思います。
最初の投稿でも書きましたが、洋服を着るということは自己表現でもあり、他者へのおもてなしや気遣いでもあります。女性のように毎年トレンドが変わり、アイテム数が多いわけではないメンズファッションにおいて、ネクタイを正しく締めることや正しく素材を選ぶことで、間の良い男になっていただきたいと思います。

ノットについて
ネクタイを複雑にしている大きな理由に、数多くノットの種類があるということが挙げられます。プレーン、ダブルプレーン、ウィンザーなどなど…。
みなさん、ノットについては“プレーンノットだけでいい”と覚えてください。
私の取引先や友人には、ファッションのプロやネクタイのプロがいます。彼らがプレーンノット以外でネクタイを締めることはまずありません。プレーンノットの正しい締め方についてはネクタイを始めとしてファッション小物のプロ、弊社のパートナーでもあるアイネックスさんが詳しく画像付きで案内してくれていますので参考にしてみて下さい。
プレーンノットが望ましい理由ですが、プレーンノットの縦に長い台形の形が、現在主流になっているシャープでスマートなスーツのシルエットやVゾーンとの相性が良いからだと、私は考えています。
他方、正三角形の大きめのノットができるウィンザーノットは大き過ぎて悪目立ちする上、バランスが悪い、主張が強すぎると思います。
ディンプルについて
ノットの下にできるえくぼのことなのですが、色気や品の良さを演出するには欠かせません。これがネクタイを締める上で最も大切だと言い切ることができます。
このディンプルの無い状態でネクタイを締めている方があまりにも多いのが実状です。100歩譲ってプレーンノット以外であっても、ディンプルが綺麗に出ていれば合格を出せるのですが、100人中99人はできていないのです。
ディンプルはノットを正しく締めることで得られる副産物です。ディンプルが出ていない方の多くは、ノットを作る際に締めが弱く、ゆとりを持たせていることがほとんどです。
暑苦しいし、息苦しいですよね?分かります!
しかし、このポイントをおさえるだけで、プライベートでもビジネスでも周りと大きな差が生まれるかもしれないですよ。
私はネクタイをきちんと締められない営業マンのお話はほとんど聞き流しています。
後編に続きます。
(文責:堀 by UNIX TOKYO)