CONTACTページより、お悩み相談をいただきました。今回は弊社のスタッフにインタビュー形式でお答えします。
【お悩み】
私は現在200席を超える規模の大きいレストランでアルバイトをしており、アルバイトリーダーを務めています。
日々、チーム一丸となって「どうしたらお客様に喜んでもらえるのか」を根底に働いているのですが、どうしても忙しくなってくると お客様への相手を思いやるおもてなしと仲間との助け合いを両立することが難しくなり、どちらとも一緒に最善を尽くして行動したいのですが、優先順位をつけなければいけない瞬間がきます。
私にとってはお客様も仲間もどちらも本当に大切であり、出来れば優先順位はつけたくないと思っています。その中で、チームワークとお客様へのおもてなしの両立をするためにアドバイスなどがあれば教えて頂きたいです。
【回答した人】
6th by ORIENTAL HOTEL 岡田千聖・左野いづみ

【お答え】
チームワークとお客様へのおもてなしはどちらを優先すべきか?
編集部:まずは、今回ご相談をいただきありがとうございます。実際に6th by ORIENTAL HOTELで日々たくさんのお客様をご案内しているおふたりに、アドバイスをいただきたいと思いまして…。
左野:ちょっと…いきなり質問の内容と違う話になってしまうんですけど、ご質問を拝見して最初に、ゲストのことを「お客様」と呼ばれているお店で、席数も私たちのお店に酷似していたので、「え!うちのアルバイトメンバーからの質問じゃないよね!?」と思っちゃいました。もし6thのスタッフでしたら、直接ご相談お待ちしています(笑)。
それはさておき、まずはお仕事への姿勢に感激しました。こんな風に考えて取り組んでくれるアルバイトリーダーがいてくれたら、きっとお店の方も心強いだろうなぁと感じます。
岡田:本当に!心強い存在だからこそ、リーダーを任されているんでしょうね。
ご質問の回答について、営業時間にチームワークとお客様へのおもてなしのどちらを優先すべきかと聞かれたら、私たちは「お客様へのおもてなし」を優先します。もう、これにつきます。
左野:そうですね、もちろん両立を考えることは大切です。…ですが、私たちだったら まず最優先にお客様のことを考えますし、メンバーにもそうあってほしいと日々伝えています。
岡田:お客様が私たちのレストランで過ごす時間を、よりゆたかに、より快適にお過ごしいただくことが私たちのミッションです。チームのメンバーもおそらくそのことに共感してくれているはず。でも、200席以上のお客様を自分ひとりだけで幸せにしようとしても、それは難しい話です。他のメンバーの協力を得て、初めてたくさんのお客様を幸せにできる。そのためのチームワークだと考えています。

実際どうする?
編集部:でも実際の営業中に、葛藤があったりしませんか?
左野:そうですね…、めちゃくちゃ葛藤してました(笑)。
2年前から その日の責任者を担当するようになったんですけど、思うようにアルバイトのメンバーが取り組んでくれなくて、ちょっとしたことにイラッとしていました。そんなとき、尊敬している先輩に質問してみたんです。以前は厳しくて有名な人だったのに、今では全然怒るシーンを見なくなって。どうしてなのかな?と疑問に思いました。そうしたら、笑顔でこんな言葉が返ってきたのです。
「6thの300席(当時)、俺一人で見るの無理じゃん。メンバーがいないと絶対無理だから」。そう聞いて改めて、確かに、隣のメンバーがいてくれるからこそのレストランだと思いました。それから意識的に感謝の気持ちを持つようにしていたら、衝突することが少なくなりました。自分だけでやり切ろうと思わなくてもいい、助けてもらえばいいんだと思いましたし、感謝の言葉をかけるようになったら、周りのメンバーといい関係が築けるようになっていました。
岡田:感謝の言葉ももちろん大切だけど、間違いをその都度指摘することもすごく大切ですよね。それも全て、その人に言うというより、“その先にいるお客様を幸せにするために伝えている”という認識を、お互いが持つことが大切で。私はそれを、自分がアルバイトだったときに痛感しました。
編集部:アルバイト時代に?
岡田:はい。大学三回生の時に神戸のオリエンタルホテルでアルバイトをしていました。ホテルの朝食担当だったのですが、毎日営業後に振り返りの時間があるんです。今日できたこと、できなかったことを書き出して、私が書いたことに先輩が赤ペンをいっぱい入れるので、本当にその時間が嫌すぎてしんどかったんです(笑)。でも、真剣なんだなってことはすごく伝わりました。
ある時、なにかですごく怒られて。その時に先輩から「なんで千聖にこんなに厳しく言うと思う?」と聞かれました。私は「きっとお決まりの『千聖のためだよ』とか言われるんだろうな」と斜に構えていたら(笑)、全然違いました。「お客様にもっといい時間を提供するためだよ」と言われたんです。その時に、今までの指摘が全部つながった気がしました。だからこの時間が大切だったのかと理解してからは、ますます仕事にのめり込んでいきました。

チームワークのつくり方
編集部:そんな風に言われたら、スイッチが入っちゃいますね。
岡田:そうですね。でも、全ての人がそうじゃないとも思うんです。アルバイトで関わってくれる人たちは、全員が「この仕事がしたい!」と思って来てくれているわけではなくて、学業とか自分の夢とか、日常の合間に関わってくれています。なので、通り一辺倒に同じ関わり方をしたらだめなんです。こっちは良かれと思っていろんな仕事のステージを用意していても、本人からしたら望んでないこともあるかもしれないので。
左野:そういう意味では、「アルバイト」と大きなくくりで関わっていなくて、ちゃんと個人とつながるということを大事にしていますね。営業中もできる限り会話をしたり、朝の挨拶の元気がなかったら、何かあったの?と声をかけてあげたり。そうやって少しずつ会話をしていたら、プライベートや仕事のことも打ち明けてくれるようになって。自然と営業後に食事に行くようになって、本音の話をしてくれたりするんです。すぐにはそうはならないかもしれないですけど、チームワークや信頼関係ってそうやって、少しずつ作っていくのかなと感じています。
一人ひとりとうれしいつながり方、関わり方をしていく
編集部:相談者さんに応援メッセージをお願いします。
岡田:いろんなメンバーがいます。自分より年上のアルバイトの人とも一緒に働かないといけなかったり。でも基本的なスタンスは変えずに、ちゃんとリスペクトして、頼る。その人が嬉しいように関わってあげたらいいと思います。
200席のお客様に、全組同じ接客はしないように、アルバイトのメンバー一人ひとりとも、うれしい繋がり方、任せ方をしていく。そしてそれは、お客様の幸せのためにあると伝えていく。他人は変えられないから、まずは自分の意識を変えて、そんな風に付き合っていくのはどうでしょうか?私もそうだったように、その姿勢でしか周りの人の心に火がつかないですから。
左野:まずは身近なひとりふたりからつながってみてください。私たちも最初からできたわけではなく、全部先輩から教えていただいたことばかりです。次は、相談者さんが誰かに伝えていく番。一生懸命な姿はきっと誰かが見ています。頑張ってください。応援しています!
(文責:平山)