2021. 04. 09 articles

経営の先生に聞いた運の話

ピーター・ドラッカーを日本に初めて「現代の経営」という邦題で日本語に翻訳した野田一夫先生。
縁あって非常にいろいろなことを教えて下さいました。

その中で、今でも自分の礎になっているお話、それは「運の良さ」についてです。

「俺はたくさんの経営者に会ってきたけれど、自分は運がいいと思っていない人は一人もいなかった。つまり運がいいからと言って成功するとは限らないが、成功した人はみんな運がよかったと言う。つまり、成功するには運が良いということが絶対に必要な要素なんだ」

「ところで、本当に運だけに左右されるのだろうか?あの人たちだけが本当に他の人より運がよかったのだろうか?そんなことは決してない。彼らは自分自身で運をよくしていったのだ。それを知りたいか?よし教えてやろう」

野田一夫先生はこちらが相槌を挟む間もなくどんどんと話続ける先生です(笑)。

「運というのは信念と準備だ。信念を持っていると、皆に等しく訪れるチャンスを絶対に逃がさない。
一方で準備をしていないと、そのチャンスに気が付かない。信念をもって活動をしていると、そこにある機会に気が付くし、その運をつかめる。
本当に信念を持っていると神様が微笑んでくれるとは、そういうことなんだよ」

「かといって、自分の準備と信念が充分かどうかは他の人と比較出来ない。だからもっと簡単に運をよくする方法があるぞ。知りたいか、よし教えてやろう」

「運がよくなるには1日何回も、そうだな最低5回、口に出して『僕は運がいい』といい続けることだ」。

一夫先生にはたくさんの教えをいただきましたが、僕が一番影響を受けたのは、こんな簡単に誰でもが実践できることでした。だからそれ以来、何かって言うと「いやーホントついてるなー」と口に出すようにしています。

そうすることで気づいたんですが、実はぼくはそれ以前、よく「困ったなー」「難しいなー」とか口にしていました。どうやら僕は困ることが好きだったようで、「難しい」ことに向かっている自分が好きだったみたいです。

さて、「ついてるなー」と口にするようになると不思議と本当になんかツキが回ってくる気がします。いいことばかりおきている気がします。
ちょっと以前より能天気に見えなくもないですが、でも確実に世界が明るくなりました。そういう気がまた、僕にたくさん「ついてる」と言わせるのかも知れません。

この話を教わってから10年が経ちました。今でも僕は「ついてるなー」と自分で青い空を見ながら口ずさみます。社内でも真似をしてくれる人は何人も増えました。うちは会社ごと運がいい会社になりつつあります。

 

(文責:三原)