2021. 05. 14 articles

人間力を磨き、チャンスを掴む

成長したい。負けたくない。チャンスを掴みたい。真剣に仕事と向き合う人なら、自然と抱く気持ちです。でも、そのために何をすればいいのでしょう。いつも心に置いておきたい大切なことをご紹介します。

“スキルよりも自分を磨く”

出版不況と言われる中、ビジネス書の売れ行きは好調と言います。実際に本屋に行くと、たくさんのビジネス書が目に入ります。タイトルを見ていくと、知識やスキルを手堅く、手軽に吸収できることをウリにしたものが多いようです。

確かに仕事をする上で、スキルは大切です。それぞれの職種やキャリアに応じて、身につけなければならないスキルもあるでしょう。
でも、Plan・Do・Seeでは、責任のある仕事に抜擢されるか、チャンスを掴めるかは、スキルだけに依るものではないと説いています。
では、ほかに何を基準にしているのでしょう。

それは「人間力」だと言います。

例えば、誰もが認める美味しい料理を作るレストランシェフがいたとします。
でも、本気の時と、そうでない時で提供する料理の味に差がある。人が見ていないと仕事が雑になる。ラクをしようとすることが原因でした。
このような人は、Plan・Do・Seeのキッチンを任されることはありません。反対にチャンスを掴む人は、どんな時でも、誰に対しても誠実に、自分が出来る精一杯で向き合う人。常にお天道様が見ているという意識で、人間として、きちんと生きている人、自分を磨いている人です。

同じようなことを、京セラとKDDIを創業し、JALを再生に導いた稲盛和夫氏が仰っています。
人生も経営も根本は同じで「人間として何が正しいのか」という判断基準に従って、正しいことを正しいまでに貫く。嘘をつくな、正直であれ、欲張るな、人に迷惑をかけるな、人に親切にせよ、幼少期に親や先生から教わった、人間として守るべきルールに従って経営を行ってきた稲盛氏の生き方は、人間性を磨いていく上で万人に共通するとても大切な姿勢だと思います。

成長したい。負けたくない。
そう思うと、つい近視眼になり、結果を急ぐあまり仕事に直接的に活かせるスキルの修得に意識が向きがちです。結果、余裕をなくし、自分を見失ってしまうことや、周囲への配慮が欠けてしまうこともあるでしょう。

そんな時ほど意識したい。スキルよりも、人間力。客観的な視点を大切に、焦らず、人間として自分を磨いてゆく。遠回りに思えても、大局を見て、どうあるべきかを誠実に考え、実行する。
こうしたことが徳を積み、大きな人間を形成していくことにつながっていく。Plan・Do・Seeのこの考え方は、どんな職場でも、どんなキャリアの人でも、参考にできるのではないでしょうか。

 

(文責:ライター佐藤康雄

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