
数年前に中長期的な会社の戦略を練っている合宿で、世界中誰でも知っている会社のVICE PRESIDENTだった先輩経営者に言われた言葉です。
「君たちの戦略にはさ、どのように出店するか?どこに出店するか?はあるけど、”何をやるか”がないよね」
この言葉を言われたときは正直、意味が分からなかったし反骨心もありました。
「いや、そんな事はないですよ。◯◯をやるってことじゃ、”何を”になっていませんか?」
「社員を多数抱えて、明日の成長や改善も必要な中で、そんな正論のような事を言われても…..。そもそも”何をやるか”があるから成功しているんじゃないですかね」
「”何”があるから、どこに・どのように出店するかの会話をしているんじゃないですかね」
見えてないものを見せることはできない。当時、見えていなかった私とその人の議論は、結局噛み合いませんでした。

あれから数年経ちました。その時の意図を、本当に今の僕が理解しているかも怪しいのですが、それでもなんとなく実感してきたこと。
それは、「何が我々と他社の違いを生むか」ということです。
我々と他社が違わないものは、上手く行ったら参入者が増えるので結果的に違わなくなるってこと。
他社が真似できないことなんてなくて、他社が真似したいと思わないことが重要だということです。
戦略の肝は”何”で違いを生み出していくのかということ。”何”をやらないかということを考えることも重要です。とはいえ、”他社との違い”を先に考えると本末転倒で、自分の独りよがりになって市場にニーズがないものになってしまったりします。考えすぎては前に進まないし、それを考えたからといってうまくいくものでもないんです。

じゃあどうやってその”何を”を見つけるか。
目の前に向かいながら常に修正を重ねていく。
自分たちが徹底的に今に没入しながら、同時に俯瞰的に見続ける。
「なんで他の人はこんな当たり前のことを真似しないんだろうなー」とか、「なんで私達はあれができないんだろうなー」と考え続けていると、なんとなく見えるような気がしてくるものでもあります。
カタチではなく、結果ではなく、その根幹となる”何が”が見えてくるはずです。
(文責:三原)